ストーマケアの注意点
腹部に作られたストーマは腸や尿管の一部ですから非常にデリケートな粘膜です。
その為、ちょっとした刺激でも出血を起こしたりしますが、神経細胞が無い為に痛みを感じません。ですから、不用意に刺激を与えたりしないように十分な注意が必要です。
また、便や尿の付着によるかぶれ・ただれに対する注意も必要です。
一般的なストーマ袋にはこれらの排泄物から皮膚を保護する為に皮膚接着部に皮膚保護剤が付いていますが、適切なスキンケアと定期的な装具の交換が大切です。
ストーマの大きさや形状は人によって千差万別です。
ご自身のストーマの状態やその周辺腹部の状態に合った装具を選択することが大切です。
食事に関して
「ストーマって?」の記事でも述べたとおり、食事に関して特に制限はありません。
規則正しく、栄養のバランスの取れた食事をすることが大切です。また、暴飲・暴食にも注意してください。
但し、食べ物によっては便が柔らかくなったり、逆に硬くなったり、またガスが出やすくなる場合があります。
イレオストミーの方は、繊維質のものを一度に多く摂取すると便が硬くなってストーマ出口付近で詰まってしまい、腹痛や吐き気などの症状が出ることがありますので注意が必要です。
また、脱水症状に陥らないように十分な水分補給も大切です。
便が柔らかくなりやすい食物
冷たい飲み物(ジュース類、ビールなど)、生野菜(トマト、キャベツなど)、果物(バナナを除く)、ブロッコリー、ほうれん草、イカ、タコ、スパイスの効いた料理など
便が硬くなりやすい食物
お米、パン、麺類、バナナ、チーズ、ヨーグルト、マシュマロ、ホットミルク、くず湯など
消化の悪い食物
昆布、わかめ、ピーナッツ、くるみ、こんにゃく、しらたき、きのこ類など
ガスの出やすい食物
カニ・エビ類、貝類、山芋、ごぼう、サツマイモ、大根、豆類、きゅうり、炭酸飲料、ビールなど
ガスの発生を抑える食物
ヤクルト、ヨーグルトなど
便や尿の臭いを強くする食物
豆類、にら、アスパラガス、ねぎ類、卵、カニ・エビ類、チーズなど
便や尿の臭いを抑える食物
オレンジジュース、クランベリージュース、レモン、パセリ、ヨーグルトなど